大丈夫だ
そう祈り始めると
たちまち弱くなる
壊れるのが怖い
夢のせいにしちゃえ
テーブルから蜂蜜をこぼせ
痕跡を残すな
あなたは存在をしなかった
外に出て自分の影に怯える
さいしょは何もかもがそう
何が美しいと言えるものか
何が醜いと言えるものか
あなたは裸足を守るために靴を履く
あなたは光が眩しくてサングラスを買う
そうしているうちにだんだん慣れてきて
蜂蜜の部屋で暮らしたことを忘れる
春には春の
夏には夏の
秋には秋の
冬には冬の
あなたに会って記憶を塗り重ねて
百年の約束よりも
千年の誓いよりも
守りたい今に気付くんだろう、おめでとう
悪かった、
少しくらい後ろ髪を引いてみたかっただけ
蜂蜜の部屋の住人はあなただけじゃない
今日みたいな午後に懐かしむ人はみんなそう