no.46

マジックアワー
蜘蛛の巣みたいな綿飴の街
かじかむ前の手を繋げた
誰からも見えない角度で

空にゼリーの魚群が到来
無数の目からサーチライト
まだらに陰る方位磁針
あべこべな矢印の絨毯

ここは冷たくていい
夢の中みたいにでたらめだし
幸せなほどに太陽は遠い
秘密ばかりで膨らんだお腹

何も宿らない体に
太鼓の音
海鳴りの声
猛獣の寝言
今聞こえるすべて詰め込んだ

百年後また会おう

誰からも見えない角度のままで
誰からも祝福されない僕らのままで
誰にも言えない気持ちを大切に抱えて
お互い以外を皮みたいに削ぎ落として

何も宿さない体で
他に行くあてのない心で
溶け合わないでいられることが
不思議なくらいに永遠の二人で