no.42

きみなら知っている
針金に血を通わせる方法を
暴力で人を安心させたり
繊細な神経から逃れる術を

真新しさは残っていない
語りかけても返事は来ない
駆け出してから何年も経った光が
間違った名前を照らすだけの夜

誰かの大切なものを壊したいと
それでずっと忘れられたくないと
もう他に方法のないことを
知るつもりはないままわかっていた

月を乗せた船が海を離れ
彗星の航路が宇宙を彷徨い
巨大な観覧車の流れに乗る頃
ネオンを知らない地下鉄で目を覚ます

ハンカチのかぶせられたそれを
座席に置き去りにされたそれを
明らかにする気分ではまだない
いつになってもなれないよ

小鳥の心臓に銃弾が入ってあります
目の前に倒さねばならない敵がいます
小鳥は唯一の肉親でぼく以外です
空っぽの銃だけがぼくの手持ちです

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