no.352

ひとがちいさく見えるまで飛ぼう
きみが突き落とされた岬も
ちいさいものはいつもかわいかった
ふたば、模型、こどものゆめ

朝がきたらかんたんに
きみのついた嘘なんて洗われてしまう
光とか雨とかに
きれいに勝てるものなんかない

だれと生きていく?
きみがぼくにたずねる
質問者になって除外させるの
ずるいところがあこがれだった

ここではたくさんのひとが
一日の間に亡くなったんだってね
いらない、そんなむかし話
ぼくより早い明日はない

あのひの絶望もこの今のため
そうだとしても幸福なんか知らない
きみがぼくから大切をとりあげるから
たとえばゆくえをくらますことで

たどたどしい従順
そんなことではないよ
凶暴な沈黙を突きつけられている
だけどまだ夢を見ている幼い横顔