no.351

この賭けに勝つことに意味はない
思い出すのは水の音ばかり
このまま
このままで
いつか見つかるまで続けてしまう
命を
死なないことを
祈りに似ることはないのに
地を這って
空に広がる青の名前も知らないのに
忘れたことを思い出すように繰り返す
初めてにあこがれて一人芝居だ
ぼくを見るあなたはいつも笑顔だった
あなたをそうさせた何かが
この体に宿っているのだとしたら
使い道はまだ残っているのかも知れない
砕けて、散って、形を失っても
悲鳴の起こらない世界でどうか、
どうか
ぼくとあなたに似た何かが
またしずかに始まりますように
そうしたら
名前のない青で存在をいっぱいにして
なにも信じられなくても生きられるように

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