朝が来て橙をひけらかす
乾いた涙の行方は頬も知らない
きみに、
きみに生きていて欲しくない。
白い鳩が目線の先を旋回する
繰り返しに怯えない魂は
逸脱するたびに蘇生させられる
命の貴重性は本当の理由にならない
冷めた目に映した世界で
きみの叫ぶ理由なんかほとんどないんだ
意味の作成と再生産
盗作されてレプリカが輝くだけ
半分ずつ引き上げられる音階
美しいなんて言わないで
ぼくには見えなかったもの
そのために生きようとしないで
陽は沈む
夜は分断される
道は続く
祈りはつながる
それだけを覚えていて
それ以上でぼくを満たさないで