優しさは絶対に凶器
僕は悪意よりはるかに
好意のほうに怯えている
甘やかした罪悪感が
ずっと幅を利かせているせい
ありがとうと言えない
言わないんだ
かわいげのない決断
正しい子どもでごめんなさい
付け入る隙が無いままでいることも
お気に入りから遠ざかり
身の破滅をしずしず願う
それで許されると言って
それで許されると知って
季節と信号だけが確実に
神様の微熱と天気とを反映させる
時計台に羅針盤
いつか尽きる脆さだけ救いだよ
今夜もまた同じ
知り尽くした回転
螺子式の当然
誰かが誰かを愛しはじめる
誰かが誰かを殺しはじめる
知りたがるから教えたんだ
一度ならず言ったはず
僕は傷つけかたを知らない
過不足などあるはずはないのに
あなたは僕をそんな目で見る