no.323

破壊されなかった塔
神格化されて不本意は籠の中
鍵は王様ごと国外追放
年号の変換
ルビーの瞳
反射する海のように豊かな髪
待ちわびて充血の瞳
誤字の反乱
愛しい、かなしい
ぼくがきみを産みたいのに
なぜあのひとから産まれたの
名もない草に音楽を与えよう
夕日に色を与えよう
そうすることで支配しよう
誰も騙されやしなくとも
時計の上でひなが孵る
それにはあってはならない器官がある
驚いて鏡の中に逃げ込んだ
あの日からずっと出られないんだ