no.457

ぼくの夜をなぞるのは誰
南に降る星のような爪の持ち主
なんの印も持たないことを笑って
今からでも遅くないと唆かすのは

嫌いなものを教えてください
歪むところが好きなので
割れない静寂などないと分かる
あなたも生きているんだと分かる

ぼくの理解は期待より遅いかも知れない
少し物足りなくて新しいかも知れない
あなたの目でぼくを見ることができたなら
ただの好きではやや弱くて怖いけれど

きっと傷になりたいのだ
時間とともに薄れていくのなら
優しいだけでは忘れられるなら
たまには裏切って悲しませたい

ひとつずつ聞いて欲しいんだ
ぼくに住むちいさな魔物の声を
朝が来るとたちまち姿を消してしまう
誰よりもあなたを知りたいと思う

こいつはたまにひとりで泣くんだ
平気じゃないことを悟られたくなくて
こいつはたまにひとりで怒るんだ
ちっとも幸せでなんかないやって

包まれるように温かいはずでは?
(あの人の台詞とだいぶ違う)
何もかもが輝いて見えるはずでは?
(あの人の約束はてんであてにならない)

行間から解き放たれてあなたは
産まれたての目でぼくを見る
匿ってもらえないぼくは脆くて
ずるくなる以外の方法を持たなかった