no.30

透明のドームに祈っている
きみがぼくに嫌われないよう
いつまでも嫌われませんよう

永遠と思ったのに
色褪せた人魚の涙のせいだ
流さなければよかったのに
その程度でしかないなら

ひとはぼくをして冷たいと言う
それは感じかたによるから
あなたは熱いねと言い返すか
聞こえなかったふりでやり過ごす

たったひとりのきみは特別
ぼくに不自由な概念を植え付け
そして知らないふりでやり過ごす
ずるい確信犯だ、ずるい

新しいぼくを待って
きみのきらいかたがまだ
どこをさがしても見当たらない
きっと探しかたが足りないんだ

嫌いになるために優しくしてみる
嫌いになるために嘘をついてみる
嫌いになるため、嫌いになるため
言い聞かせて今日もまた隣で見張る

わかるよね
きみもぼくもひとり
どこまでもひとり
唯一無二のひとり同士だということ