no.264

近しいものを探している
いま周りにあるものから
目を逸らして
誰にも敵意を見せたくなくて

卑屈な微笑み
誰のために生きたかったか
忘れてしまいそうになる
そんな時はもう早く
分からなくなって

いっそ、

透明になりきれない透明
無名になりきれない無名
ぼくは誰にもなれないし
誰にも本当はなりたくない

集荷人のもう来ない
青色したポスト

誰にも言えない秘密
捨てられた船の模型
風に飛んでった麦わら帽子
蝶々追いかけた緑の網
最底辺にはぼくの
何にも溶けきらない骨のかたまり

届かなかった思い出は
それだけで輝く
果てのない直方体
生は朽ち果てることがない
配達人は待っているのに

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