no.263

空の青さをどうしても
見ていられずに視線を落とす
食べかけの林檎に蟻が群がっている
どうせなら違うものに生まれていたら良かった

願望は次元を飛び越え
あるはずの足枷を切り離す
装飾過多の逃亡劇に見る
類稀な悪役として君の世界に生きること

それ以外に無いと言って
それだけが望みだと認めて
他に座る椅子はない
誰の目も当てられないよ

真下の鮮やかな妄想を吸い上げているから、
冠に添えられた花がいつも瑞々しいのは。
骨になりもう何百年も経ったから、
生い茂る薔薇の棘に痛み一つ感じないのは。

入れ替わる苦悩
それは片割れの悦楽
いま血も仮初めの魂もささげる
恋い焦がれた死に様のためにならば

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