no.14

自転車を降り妖精の死骸を跨ぐ
夜は昼よりたくさんの光を集めて
何を捨てても世界はうつくしかった
誰に捨てられても世界は

身軽なのは奪うばかりの海のせい
砂の街は人知れず溶けて
いつか呪いながらあつめた
貝殻いっぱいのスパンコール

振り返って名前を呼べば
疑わしげな視線が縋り付いてくる
だからぼくは教えてあげる
きみはもうここにしかいないよ