No.865

傷をえぐれば許される
もう充分だと擁護してもらう
足りないと悲惨なまま
ぼくたちは居場所を失う

顔のない犯人
姿のない不特定多数
ぼくだってそうだ
ぼくたちだってきっとそうだ

光が眩しい
弱い力で前を向くより
眠っていても呼吸のできる
薄い青い終わりみたいな暗闇がすき

あのねで始まり
そうだねで終わる
ただいまとおかえりのように
生まれて死んでいくのだと理解をする。