奇跡を確認する術はない。これきっと奇跡だね。これなんて奇跡だよ。出会った人とそう確かめ合って頷いたら襲撃を恐れることなく無防備に眠るだけ。お互いの夢に害されることなく。お互いの領域を破壊することなく。気づいたときに会話をして、言葉がなくてもひとりじゃなくて。生まれた意味と死ぬことの意味を考えている。あの春が終わっても、終わらないでも。インスタントスープを美味しいねと言う、いちばん絶品だと言う、あなたのそばにいると日常全部に奇跡が飽和して、また新しい名前をつけたいと思うよ。子どもみたいな額を撫でて。