no.180

この手が届いたら消えてしまう
遠くの不安定な稜線をなぞる空の輪郭
僕たちの影はあの日に舞って帰る
だから記憶は鮮明になる
ありもしない思い出を重ねて色濃く
本当の会話は見えない糸になる
だけどそれはしばらく固く絡みついて
忘れただけの僕たち首を傾げる
あちらこちらで号砲が鳴って祝杯
いなくなって初めて名前がついた
伸ばした手の震える指先が今みつかって
まるでかわいそうなものみたいに愛される朝

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