no.179

きみがとても大切だから早く消してあげたい。明け方に巻き取られるイルミネーションの檻から。名前がなければ見つけられなかった感情なら霜の下で永遠に眠らせておきたい。繰り返された夕焼けは増殖をカモフラージュして何か食べようとしていたの。そのことに気づかないで悪を笑った幼稚な浅はかさ。人工物の上層階でスケールを盾にして大自然があぐらをかいている。子どもたちの夢や希望は試験管に詰められ査定を待つ。どんな介入にも左右されない真実なんてこの世界にないから昨日も明日もかわいい嘘がつけるってことにもっと感謝しなければ。もう目覚めることのないきみがただ眠っているだけだってどこまでだって自分に信じさせられるって口先だけでも放たなきゃ。蕾開いて光解き放つ。ありもしない束縛を言い訳にはもうできない。すべて平等に孤独で有限。方法を捨てたら遭難はしない。積み重ねで紡ぎ出した正解が明日には裏切るって、教えてほしかったら教えてあげよう。夜明けより早く。ぼくのかわいいきみに。さあ目をあけて。