元旦の詩

なぜきみはそこで生きられないのだろう。なぜぼくはここで生きてこられたんだろう。苦手をしないと言うなら今こんなところにいないはず。呼吸の罪悪感。優しいものに「生きて」とささやくぼくの手に、一度も使えなかった紐の両端が握られている。自分に使えないから自分で使おうと思った。あたたかいものや柔らかなものが形や色を変えても、見つけられますように。さよならの向こうにある景色を見られますように。そしてそれを信じられますように。あの太陽にとってはぼくらの昨日も今日も大差がない。太陽のようにならなくても大丈夫だと、だけどそうなりたいと願ったりそのように振舞ったりすることを、人間と呼んでもいい。癒えない傷があってもいい。何がきみを光らせているか分からないから。何がぼくの救いになるか分からないから。エンディングまであっという間。ちいさなオープニングを集めたきみがあたらしく呼吸する、いま。