No.792

泥濘みからぼくを立ち上がらせたものがいまも歌っている。唯一無二のキラーチューン。生きておいで。それだけでぼくはこの世界に未練を持つんだ。ぼくを虐げる誰を見ていても、あの日きみの選んだ手がぼくだったということで。遠い光が今にも届いて存在をさせている。ある人は呪縛だと笑う。呪縛も無いなら生きられないよ。始まって終わる。それだけ。昇って沈む。それだけなのに。出会うために朽ち、拾われるために捨てられる。あなたの手が空っぽだったのは、あの日のぼくを味方につけるためだよ。有利な命知らず、条件を教えて。