No.784

盲信することは時たま必要だよ
命をたしかに救うので
そういうことがあるので
正確に言えばぼくは見たので

小説家はみんな嘘つき
でもね相手によるんだ
自分を絶対に信じないひと
そのひとへは本当を言うんだ

分からない
わからなくしてる
信じられない
しんじられないよう振舞ってる

いつか消えるんだってね
親も子どももぼくもきみもさ
欲しかったおもちゃや掴めなかった夢も
星空を映す海にかかった橋を渡ろう

人間は強いね
ぼくが思ったより
人間は脆いね
きみの語ったより

ささやく声が流れ星
誰もが分からないと背いた時も
嫌いじゃないと言ってくれた
それだけで盲信に値する
きみの幸福をねがってる