no.140

もう全部投げ出して助けてって言いたい
雨粒が弾ける地面を裸足で駆け抜ける
見えない最果てを終わりだと信じて
新しい始まりに繋がることは二度と無いと泣いて

おいてきぼりにしてきたものを思い出したくないんだ
僕がどれだけ自分のことばかりか君は知らない
嫌いなものが無いなんて嘘だよそうじゃない
嫌いになるまで踏み込めなかった無関心だ

他のもののためにどうにかなることが
たとえばそれは悲劇だったり喜劇だったりするけど
そんなことが到底理解できそうにもなくて

いつかふたり手を繋いでのぼったお城が
いまは草木に埋もれて見えなくなってること
ひとりで知らなきゃいけなかった

道の先に何もないことが救いだっただけ
やわらかいものを求めて良い理由なんか僕には無い