みんなで明日を聴いていた
野良猫たちが集まって
にんげんの男の子がひとり
ねこへ戻れなくなってしまったんだ
なぜか?
ひとがひとりが減ったからだ
野良猫は補充要員だった
この世ではあまり知られていないが
反対車線で
水中で
通りすがりに
ザラザラのロープで
ひとが減るたびにいっぴき
野良猫が消えていく
ごめんねみんな
ぼくおまえたちを忘れてっちゃう
野良猫たちは返事する
なーうなうなうなーう
忘れなくちゃうそだよ
それでだいじょうぶだよ
二本足で駆けていく
男の子は振り返らずに
月のような瞳で
蕾のようなほっぺで