まあまあ役立ちそう
そんな目でよかったのに
見てもらえたらうれしかったのに
だけどハサミ以下だったぼく
波
鍵盤
山茶花
また、波
猫
樹氷
かたつむり
また、猫
椿
階段
フルネーム
また、椿
あなたの手はとても器用に
景色のパーツを切り取って行く
唇が少し乾いて涙がたまる
切り取られることのないぼくは取り残される
ほんとうを言うと切り刻むんだと思ったの
あなたは世界を切り刻むひとだと
だけど切り取ってみせるの
ひたすら器用なあなたはぼくにも優しいの
非の打ち所がないくらい輝いている
だけどその光は人を殺すこともある
ぼくはたぶん何だってする
あなたを泣かせるためならば
まどろむように生きていた
生きていけると思っていた
ぼくはたぶん何だってする
あなたに忘れられるくらいなら