no.98

体温と体温のせめぎ合うところ
柔らかな比喩を与えてもいいような場所で
境界を主張しあって本当は争っていた

何年か前に心の中で憐れんだひと
そのままで少し変わっていて
そのままで遠いところまで行っていた

組み替えたはずの経路はやっぱり
光のほうへきみを繋いでいっていてぼくは
忘却の砂のひとつに数えられもしない

許さないことは覚えておくこと
だから愛に似ているということ
何も教わらなかったのに知ってる

太陽が沈む間際にことづける
雑多な所感に高貴な審判
洗っても洗っても傷口が見えてこない

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