声を届けたいひと
声が届かないひと
声を持たないひと
声に傷ついたひと
いろんな声があり
声を受け取る暮らしがある
ハローでぜんぶ伝わればいいのに
意地悪だから近づかないで
ぼくはあなたにとってよくない
存在かもしれません
あなたがぼくを好きになっても
好きを返せないかもしれません
贅沢な悩み
そんなものはどこにもない
自分に素直になろうとして
無視できない感覚を声にしただけ
綺麗事の優しさに
気づいてしまったら一つ終わるね
あなたは弱くて強かった
自分の口にした綺麗事のとおり死んだよ
遠近法を利用して
自分を悩ます奴らを魔法で消しちゃうんだ
だけど隣人は善人かもしれない
そう言ってためらうんだ
みんなは善人じゃないかもしれない
みんなは優しくないかもしれない
みんなは愛してくれないかもしれない
みんなはあなたを許さないかもしれない
だけど、
悪人ばかりじゃないかもしれない
慰められることもあるかもしれない
愛せることとがあるかもしれない
許すも許さないも言わずそばに置いてくれる
そんな人がいないと思うほうが
ぼくにはずっと不自然に思える
だから行っておいで
行って見ておいで
ずっとじゃないから大丈夫
終わりは作っておいたから
つらい時は声に出すんだ
誰も聞いてなくてもいい
誰かが聞いていてもいい
つらいと自分が分かるようにしておくこと
そうしたらぼくにも届くからね
あなたは頷いた
ぼくはそっと背を押して地上へ落とした
この世のあなたの誕生前夜に