No.617

声を届けたいひと
声が届かないひと
声を持たないひと
声に傷ついたひと

いろんな声があり
声を受け取る暮らしがある
ハローでぜんぶ伝わればいいのに
意地悪だから近づかないで

ぼくはあなたにとってよくない
存在かもしれません
あなたがぼくを好きになっても
好きを返せないかもしれません

贅沢な悩み
そんなものはどこにもない
自分に素直になろうとして
無視できない感覚を声にしただけ

綺麗事の優しさに
気づいてしまったら一つ終わるね
あなたは弱くて強かった
自分の口にした綺麗事のとおり死んだよ

遠近法を利用して
自分を悩ます奴らを魔法で消しちゃうんだ
だけど隣人は善人かもしれない
そう言ってためらうんだ

みんなは善人じゃないかもしれない
みんなは優しくないかもしれない
みんなは愛してくれないかもしれない
みんなはあなたを許さないかもしれない

だけど、

悪人ばかりじゃないかもしれない
慰められることもあるかもしれない
愛せることとがあるかもしれない
許すも許さないも言わずそばに置いてくれる

そんな人がいないと思うほうが
ぼくにはずっと不自然に思える

だから行っておいで
行って見ておいで
ずっとじゃないから大丈夫
終わりは作っておいたから

つらい時は声に出すんだ
誰も聞いてなくてもいい
誰かが聞いていてもいい
つらいと自分が分かるようにしておくこと

そうしたらぼくにも届くからね
あなたは頷いた
ぼくはそっと背を押して地上へ落とした
この世のあなたの誕生前夜に

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