No.601

きみは永遠に幼い
思い出になったせいで
ぼくの前から消えたせいで
いつまでも理由がわからなくて

遠い空が不定期にきらめく
流星だと知らされたいけど
あれはほんとうは火花で
国と国がお互いを守りたい姿

間違いを正すこと
その過程で侵略すること
傷つけるのが嫌で余計傷つける
無口なぼくは傷つけないでね

約束は破られる
なのでぼくはぬいぐるみを破る
大切にできると思ったのに
胴体から腕と脚を引きちぎる

だってかわいそうだもの
だってあんまりだもの
放っておいたら命になるんでしょう
それじゃきっと泣いてしまうよ

お花畑なんかないのに
サーチライトが邪魔をするのに
手紙はすべて封を切られて
暗号は解読されるのに

正気に戻りたくない
我に帰りたくない
何をしているか分かっているから
いま足元に散るのは真綿ではなく、

こんなぼくでごめんなさい
ぼくのままでごめんなさい
悪いことをしたと思えない
ありがとうしか聞こえないんだ。

いま、
そう、この今だって。