No.581

幼いきみの
背丈ほどある花畑
好き?って
ずるい質問だ

はいも
いいえも
答えたくない
好きかそうでないか

そんな生き物じゃない
そんな名前じゃない

ぼくにはかつて
名前がたくさんあった
ひとつなくしても
平気でいられるよう

迷子にならないよう
決まりなんてないでしょ
夢見るくらい自由でしょ
星に手が届きそう

月のない夜に恋人はずるい
質問されたぼくは答えない
あなたがひとりになるように
あなたがひとりでいられるように

確かめなくていいくらいの無防備
ふたりを包めるくらいのブランケット
星に手が届くくらいの孤独
角砂糖をほろほろ溶かすぼくらの永遠

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