No.570

そうでもなかった
言っちゃっていいかな
前ほどじゃなかった
そう言っても?

雲と風ばかり流れる
見えない光について書いている
視覚に負けないように
ここにない香りを嗅ごうとして

好きな人の好きだった人の
出ている映画がそこそこ綺麗で
好きになってしまったんだ
あなたが今ようやくわかった気がする

同じふうに見ていられない
その軸はあなただけのものだから
舞い上がるプラスチック片
頭上を覆う枝葉に悲鳴が絡まる

平気でいることができたんです
あなたの愛するものが誰かに愛されていると
悪くないと思えたんです
そしてマグカップに新しいミルクを注ぐ

生きていくんです
死ぬことなんか考えないで
あまりに当たり前でしょう
生きることは死なないことです

もったいないものなんて無いんです
向こう見ずな選択肢は失われた
あなたが素直になれないくらいで
ぼくが支配する何も妨げられたりはしない

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