No.539

夢を見るようにあこがれていた
今は夜明けが一番に怖い
自分の気持ちが隠し切れないから
どうにもそのまま出てしまうから

月が傾いてあざ笑う口元
硬い結び目もほどけていく
もう一度パーツに戻って
また誰かの遊び道具だ

あなたは忘れていく
忘れまいとする努力は苦痛だ
正しさは人を傷つける
間違うことが優しさだからだ

同じ嘘に向かうことはもうない
知らないふりができない僕たち
まぶたの裏に美しい光があって
照らし出された文句も言えない