No.529

『運命の人症候群』

気づいてしまったんだ
また、運命の人に
ああ今度はそういう姿なんだ
街であなたを見かけた
前世までなら後をつけただろう
それから偶然を装って知り合うんだ
慣れたものだよ、文字通り慣れてんだ
だけどもうしない
だって忘れかけていたんだ
なぜあなたを探し続けるのか
なぜあなたを求め続けるのか
もう何回目かな、数えていなかったな
たまに似た者同士と目が合った
教えてあげないけど心でつぶやく
いつか、生きていけるよ
その繰り返しにも、終わりがくるよ
運命のひととじゃなくても、きみは
あの日の出来事を忘れたとしても。