【小説】神様失格

まだわからないな
せっかく涙に色をつけたのに
まだわかってあげられないな
ぼくは神様失格だ

山をなぞる夕陽の輪郭
ひと、それ、すきだろう?
ぼくはそれを見ている人がすき
わるくないなと思うんだ

人も、そんなに、悪くないなって
天使たちはやめとけって言う
口の悪い彼らは嘘はつかない
だけどぼくは試してみたいな

だっておかしいじゃないか
知らないもののために為すのは
いいとかわるいとか言えないじゃないか
なんにもわからないままでは

そう思ったんで、ぼく、涙に色をつけた
恥ずかしくないように、ぼくにだけわかるように
かなしいの?つらいの?うれしいの?
なつかしいの?おまえ、いま、しあわせ?

色がわかったところで理由はわからない
どうして?ねえ、どうして?
質問ばかりのぼくはある日地上に放られる
天使になりたての悪魔から

おまえがいたんだよ
ぼくの降った街に
すみっこに
ぼろぼろで

こんな話信じる?
こんな話信じたの?
おまえ、初めて
それって、神様みたいだ、ほんとすごいよ。

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