No.493

呼ばれるだろう

平・成・の・大・虐・殺。

なぜも何もない
悲惨なものは叩きやすい
残酷なものは罰しやすい

言い訳する間も無く窓から投げ出される
むき出しの腕の白さを見ていると、
誰もきれいなんかじゃないと思う、
笑えなくなるくらい荒廃したらいいのに。

想定と妄想は口外できないほどだ、
炎天下の番兵、同じ窓を見上げてる。
あそこであった事件を思い出してる。
氷をかじりながら笑っていた男のこと。

道徳。
倫理。
高貴。
崇拝。

失態は見過ごされてる罪の多さだ。
救いにもなるし、ならないこともある。
当然、隠蔽したほうがお得なことも、
それで不平等が存在しないことになるなら?

(好都合、)。

もうちょっと自覚を持つべきだ。
こんな時に何を言うんだと怒るんだろう。
おまえ少し螺子を緩めたほうが飛べるかもな。
他人の痛み以外にぼくを惹きつけるものはない。

夢だったんです
小さいころから
ぼくの夢だったんです
傑作、それ、笑える。

かんたんに丸くなるなよ
本当は混じってるはずさ
どうして慈愛を否定する?
人のつく嘘くらい慣れろよ。

潔癖のくせに手を染めたがってる、
誰でもそんな感じだ。
人は生き物を信じるから死ぬんだ。
命なら銃口に預けたほうがまともだ。

口数の多いやつ。
舌の根が待ちきれないんだ。
おまえはもう少し素直になるといい。
弾はすべて抜いてある。

おれの流儀。
聞ける間に聞いておかないか。すなわち、
素手で殺せないものを殺してはいけない。
傑作、それ、笑える。

笑ってる場合か
じゃなさそうだ
信じているのか
あんたぼくのことは殺さない

芝居の果てにあるのは現実
重苦しくて絶望しかない
でも知ってる
絶望の原型は希望だったって

ぼくはそれに賭ける
あんたは迷ってる
ぼくがいない世界
それって味気ないよな?

殺すのは惜しい
生きてても癪だ
だけど死んでほしくない
自分にぼくを殺してほしくない

銃口になりたい
冷たく火を噴くだけの
だけどならない
ほら、もうすぐ白状させてやる。

長いプロローグだったな
エピローグかと思ったよ
ああ、エピローグだった
だからこれはもう別の話。