no.447

おねがい世界を暗くして
もっともっと暗くして
うんと不安になったなら
星がポツリと見えてくる

草の上に寝転んで
きみとぽつぽつ話していると
宇宙と会話しているような
星に気づいてもらえたような

気持ちになる
おいしい、
たのしい、
きもちがいいこと

ぜんぶ教えてくれる
ぜんぶ失って
大丈夫だと思える
どうせまた巡ってくるから

とるにたらないこと
無理矢理に笑い飛ばしたり
泣き暮れる必要のないこと
だけど手を握るとあたたかくて

いま初めて出会ったように
奈落につながる瞳をのぞきこむ
生きていると知らないみたいに
これはなんだろうと慈しむ

指先で点と点を結んだら
切り取られて落ちてくる
破片はひんやりつめたくて
口に含むと橙の香りがする

雨の日の教室
シャープペンシルの芯
身を隠した紫陽花の葉脈
きみが隠さない秘密の香りがする

いったん手にすると
それはとたんに弱々しくなる
奇跡を起こせるからだ
魔法なんていらないからだ

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