no.373

オブラート
難解な言葉
嘘や棘
ちがうな
ただ好きなんだよ
認めなくても
三つ編み
そらされる視線
斜陽
刺繍のほつれ
きみを否定するきみが
ぼくのことなら肯定する
それでいいと思うんだ
まずはそれでいい
きみはぼくがなんとかする
夜空より途方もない雑踏で
迷わないように名前をつけよう
なにひとつ平気じゃなくても
不安は覚えていないんだ
心は自動装置だから
まちがえば苦しいし
ただしいときには高鳴るだろう
何も信じられないとき
からだに耳をすますんだ
ぼくたちはお互いのおまけなんだよ
顔も似ない生い立ちも違う双子なんだよ
傷の痛さはどうしたって伝わらないよね
でも教えてくれればてあてができるよ
訴えることの意味はそこにあるんだ
絶対的に完璧な共有なんかじゃないんだ
凍てつく街を抜け出してわかったこと
わかりたいと思えたとき
ようやく命が降って来た
まだからっぽだった二人のたましい

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