オブラート
難解な言葉
嘘や棘
ちがうな
ただ好きなんだよ
認めなくても
三つ編み
そらされる視線
斜陽
刺繍のほつれ
きみを否定するきみが
ぼくのことなら肯定する
それでいいと思うんだ
まずはそれでいい
きみはぼくがなんとかする
夜空より途方もない雑踏で
迷わないように名前をつけよう
なにひとつ平気じゃなくても
不安は覚えていないんだ
心は自動装置だから
まちがえば苦しいし
ただしいときには高鳴るだろう
何も信じられないとき
からだに耳をすますんだ
ぼくたちはお互いのおまけなんだよ
顔も似ない生い立ちも違う双子なんだよ
傷の痛さはどうしたって伝わらないよね
でも教えてくれればてあてができるよ
訴えることの意味はそこにあるんだ
絶対的に完璧な共有なんかじゃないんだ
凍てつく街を抜け出してわかったこと
わかりたいと思えたとき
ようやく命が降って来た
まだからっぽだった二人のたましい