no.367

色画用紙を切ってリボン通しただけのしおり
今はラミネートだってできるのに
落ち葉の中に隠れていたのを見つけて
遠回りなんかするんじゃなかったって思った

本能だろって笑わないでくれ
理性できみを好きだって証明する
だけどそのためには時間が必要
たとえば朝にミルクを温めるまで

馬鹿にされて悲しかったことはない
そうする人が周りにいることが悲しい
人間は技術のように進歩しないし
やがて欠陥が個性になるんだろうけど

行きたい場所はスマホの壁紙にする
思いはいつも先回りされる
時期をずらして咲き乱れる花々が
もういなくていいよって僕にいう

ずる休みの午後二時
いなくても大丈夫だって涙目が気づく頃
不可欠な臓器にはなれない
不在でしか存在できない

スパークする記憶はつかみどころがない
真冬に花火なんかしてる
ぐちゃぐちゃになるまで何度でも混ぜて
僕に似せられた夜をやり過ごすために