no.361

この火はまだちいさい
だけどいつか街を焼き尽くす
焼け跡から黒い遺体が見つける
それは身元不明のまま葬られる

闇から来て闇へ消える二人
薔薇の香る村で生まれた
教会に背を向けて
月だけが姿を照らしていた

なのに僕たちは知っていた
遠ざかりながら憧れていた
真反対を取りながら恋をしていた
過去にも未来にもない今の中で

誰かの涙を誘うような
そんな悲しいことじゃない
僕たちはただ温かさに近づいただけ
自分よりそうじゃないものに触れてみただけ