no.358

世界は美しい
誰が何と言おうと
不安を知って欲しくて
きみからぼくを隠したんだ

指の隙間から
まるい瞳がのぞいていた
見極めようとして
言葉でしか伝わらないものを

奇跡に価値なんてない
あるのは少しの幸福感と慣れ
新しい明日のほうがよっぽど素敵
きみなら迷わずそっちを選ぶんだろう

口の中で転がしている木の実
煙と溶け合って青春は弾ける
ぼくたちは時間を忘れて踊った
意のままにならない手足で

あの頃描いた永遠
それとは比べものにならない
輝くものばかりいつまでも輝く
平等は汚れた生き物に愛想つかした

かきむしった首の後ろ
薄い爪痕がぼくに嘘を教える
きみが本当は喜んでいるって
だからかんたんに姿をあらわす

ごめんね
きみの涙はきれいだと信じたんだ
ぼくはそれを見てみたかった
自分勝手で本当にごめんね

消失を体験したかった
その光景をぼくも見てみたかった
投げつけられる言葉は数字のフォルム
いまふたりの足元から埋め尽くす