声高にでも囁くようにでも
僕は死ぬまで言い続けるだろう
ただ誤解されたくないのは
共感が欲しいわけじゃない
知って欲しかっただけ
いつでも知ることができたということを
いつだって壊せたんだということを
きみの居場所さえわかっていれば
そこだけを避けて
それだけはちゃんと護って
凪いだ海面は穏やかそうで
やがて誰も想像しなくなるだろう
誰もが忘れて事件は
二度目の悲劇に打ちのめされる
いつかひっそり玉砕をする
それが藻になり餌になり
透き通ったちいさな魚を
その尾鰭を動かすことになろう
魚は
僕の生まれ変わりかもしれない
あるいは
生まれなかった命の続きかも
なんにも覚えていなくても
誰も想像できなくても
あらゆるものがそうかもしれない
雨粒のように夥しく輪廻している
絵空事を語るからって
笑われて平気だからって
僕が一度も本当を
誰にも言ってこなかったわけじゃないよ