No.803

見ていたね
夢を見ていたね
卵白のような空を
ここではないどこかを
今ではないいつかを
あれが夢です
夢は希望です
繰り返しながら
馬鹿にされながら
呆れられながら
ぼくはぼくを抜け出せないので
そう言い訳をして
嫌いなものを好きになれず
フォークでよりわけ
好きなものをただ好きになって
スプーンでまるく撫でて
呼吸をやめなかったその先で
きみはぼくに出会ったんだ
大切に思わないわけがなかった
星は見ていた
音楽は奏でていた
正解や間違いに囚われず
人は生きていけることを教えてくれた