No.619

月が街を照らしてる
人工の光が卑屈に滲む
どちらもきれいだと感じていた
冷たいベランダに裸足で立って

夢の中は静かだった
海に潜ったようで
ひとりなのに温かかった
本当にあたたかかったんです

手に入らないものを
見ているだけで満たされるものを
誰にとってもそうであることを
僕はしずかに分かっていた

昨日は黙っていてごめん
羽毛にまみれて待っていた
唇に残る甘い粉末
この恋が終わるのを待ってたんだ

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