光が侵していく無名の庭
いつ切り出そうか考えている
ぼくは神さまじゃないと
きっとあなたは知っている
たがいたがいに持っていた
暗くて甘くてぬるい秘密
それはシロツメクサの指輪みたいに
簡単にほどけちゃう類いなんだ
ランナーみたいに脇目もふらず
好きなものを好きだと言えばいい
わかっているのに遠回り
傷つけたくないなんて言いながら
傷つきたくないのは自分だった
しょうもないことで
苦しくなるだけなのに
それもそうだって認められない
終わりを何度も経験して
始まりは何度も始まって
数も覚えていないんだ
忘れたくなかったはずなのに
言葉を取り上げて
優しいスプーンで
不可逆性の蜜月と怠惰
あなたを好きで仕方がないです
そのことに困惑しかないです
満月も利用できないで
病気にもなれないで
ただ健やかにあなたを想ってる
呆れられたい
見守られたい
泣きながら笑って見せながら
本当はいつでも裏切っていいよ