no.232

君の秘密が露呈したとき僕は星が光り始めるのを見ていた。それは何かの芽のように背景を穿って、だけどすべてを覆い尽くすなんてことはしないで、自分たちが一番目立つような配分で存在できるよう弁えていた。その一つ一つがただの反射でそれ以上でも以下でもないと思えた時に子どもではなくなったと感じたけど戻りたいとは思わない。寄せるさざ波が確実にまた引いていくように当然のことだった。あの夜はどうか。暗い部屋で、だけど完全ではない闇の中で、君は満足したのか。白い塊を抱いて、何を睨んでいたのか。それとも笑っていたのか。もしも僕の方がおかしいんだとしたらどんな推察も憶測でしかないね。たとえば君が嘘をついていた、とか。そもそも君は実在したのか、とか。それでも誰かの微笑を引き出せていたら良い。僕のでたらめが、空想が、虚言が。それは、それこそは、滴り落ちそうな星の光より尊く映るから。もしも無謀な墜落だとしてもそういうことなら許せるんだ。