No.512

日付が意味をなさなくなってだいぶ経つ
いや、本当はそれほどでもないのかも
なくしても惰性で数字を基準にする
ベッドの下には銀河が見える

教えられた希望は幻だったよ
繰り返したって途中で分からなくなるんだ
ある時点から先へ進めなくなる
意に介さないあなたは指で空を切り取り遊ぶ

希望にすがるせいでいつかなくなるんだ
ないものをあると信じようとするからだ
だけどそれじゃいつか消えてなくなるさ
きみが信じるだけしかしないのならば

おれならつくるよ
自分の手で、だってその方が実感がわく
形や色がいびつな方がよっぽど忘れないだろう
あなたは言ってぼくの手に銀河のかけらをのせる

それはどんな時でも役立つ代物、
きみが限界を感じた時にはすべてを教え、
きみが傲慢な時には一部だと知らしめる、
肌身離さず持ち歩いておくといい。

ぼくはその言葉を鵜呑みにし首にかける
破片は日によって色と手触りを変えた
限界を感じそうな時も
消えたほうがマシなんじゃないかって時も

ついにぼくは楽園にたどり着いて
希望が幻なんかじゃなかったと知る
無限に作り出せるものだったと知る
出会ったばかりなのに懐かしいあなたがいる
今日も遠くの空を指先一つで切り抜いている