no.243

守っていてと言われたのに
青い薬品にすべて
飲み込ませてしまったんだ
記憶にない夏がまたやって来て
一から順番に誘拐する
クライマックスで起こる悲劇を
分かっていながら傍観する
待ち望んでさえいる
水玉は隠蔽する
血だまりを嫉妬を
未来を宇宙を
そこには何もないことを
夢だけが物質だ
新しいことに一つも価値はない
きみが触れたものだけ
きみが目をやったものだけ
何度でも履き違えて良いよ

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no.242

あたらしくなっても、
ふるくなっても、
かがやかなくなっても、
ひとけがなくなっても、
いつだって、いつまでだって、
ここでいい、ここがいい。
ここはきみがいたところ。
いまはもういなくても、
きみとぼくとがいたところ。
たしかに、
いちばんいいころの。
いちばんやさしくて、
いちばんかんたんで、
いちばんなにももたなった、
ふたりどころじゃない、
ひとりだったころの、
ひとつだったときの、
きみとぼくのいたところ。

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no.241

僕の流せなかった血が空を流れている時間、ほとんどみんなが自分の秘密を固めることに夢中になっている。
愛されなかった星は誰かの涙を誘うだろう。
自分が人間だったことを否応なく思い出す。
綺麗なことをしたいわけじゃなくて毎日どこかに傷をつけたかった。
好かれなくて良いから忘れられたくなかった。
そしてそれを君にだけは気取られたくなかったんだ。

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