僕は正解を知っている
だから教えたくなかったんだ
今なら分かってくれるだろう
雪より鱗粉の降る国に
言葉はなかった
文字もなかった
人々は眼差しと気配で感じ取った
それを不便に思う人はいなかった
僕だって例外ではない
汚染は旅人がもたらした
僕たちは新しいものに敏感で
全員が過敏だった
これは神聖というのだ
だったらあれは逆なのだ
あれは秘密と呼べるのだ
だったらこれは暴露される
めまぐるしい
嵐のような富と欲望
僕たちは守りたかった
だから君を閉じ込めた
窮屈だったと言うだろう
わけが分からなくて
退屈だったと言うだろう
希望とはそんなものかもしれない
君がまた陽の目を見るときに
この国はどうなっているだろう?
通じない言葉を口にする僕を
君はどんな目で見るだろう?